100%ヴィーガン・フレグランス!「クヴォン・デ・ミニム」の新ブランディングを斬る

先日、南欧発祥のブランド「クヴォン・デ・ミニム」のプレス発表会へ。

 

日本では数年前からロクシタンの姉妹コスメブランドとしてひっそりと展開していたクヴォンが、文字通りまったく新しいフレグランスブランドへと変貌を遂げていて嬉しい驚きだったので詳しくブランド分析しておきます。

 

 

そもそもクヴォン・デ・ミニムとは

 

日本では数年前から、同じくプロヴァンス出身のブランド・ロクシタングループが展開していたコスメブランド。

Sheageさん(@sheage_official)がシェアした投稿

ロクシタンの華やかさよりもっとクラシカルな佇まいの印象で、このクラシカルさは一定の人に愛される雰囲気だとはわかりつつも、わたくし個人的には「群雄割拠のコスメ業界でこんな地味で大丈夫かいな」と密かに心配していた。笑。

 

当初の売りとしては

ロクシタンの姉妹ブランド♡

南仏の伝統ある「ミニム修道院」に古くから伝わるメソッド

・優しい処方のボタニカル・コスメ

 

というところだろうか。

 

リニューアル後の今だから分析できることだが、この、リニューアル前のクヴォンデミニムの打ち出しはやはりブランドとしては弱かったと思う。

 

おそらく運営側も「まあ、そこそこ行けるんとちゃう?ロクシタンの威光を借りれるし南仏ブランドだしモノはいいしおしゃれだし、、、」というふんわりとした算段があったんじゃなかろうか。

 

売り場的にも、本来もっと大人っぽく高感度な場所(伊勢丹のビューティーアポセカリーとかね)での展開が似合いそうなイメージだったのに、実際にはPLAZA等の雑貨店で若い娘向けに展開されていたり(価格帯も間違えたかも)と、迷走感が否めなかった。

 

迷走の果てのキティコラボ↓

ファンの方には申し訳ないが、これは製品を使ってみての感想ではなく、あくまでブランディングとしての目線で分析した話なのでご容赦を。

 

 

本気で新しいブランドに生まれ変わったクヴォン・デ・ミニム

 

さて本題。

先日お邪魔したプレス発表会では、クヴォン・デ・ミニムはホント〜に文字通り「まったく新しいブランド」に生まれ変わっていた。

 

どれくらい変わったかというと、コスメブランドではなくフレグランスブランドになっていた・・・!

 

オーデパルファンのシリーズ。重厚感があり、香りも本格的で素晴らしかった。

 

こちらはコロンのシリーズ。個人的には軽すぎる香りだった。綺麗だけど。

 

ブランドストーリーに以前まではまったく登場していなかった植物学者ルイ・フィエなる人物が出てきたりと、多少「おいおいよくぞここまででっち上げ構成し直したなと驚き感心させられたけれども、この一新には個人的には大賛成、大歓喜

 

もちろん旧来のファンから多少は「え・・・全然違うやん・・・」という戸惑いの声は上がるかもしれないが、ここまで緻密な取材によって練り上げた世界観、「100%ヴィーガン香水」の処方、ロゴマークを始めとするアートワーク、全体的なブランディング・・・

全方位的に素晴らしいプロジェクトとして生まれ変わったと思う。

 

ブランド構築のために、惜しみなく時間と金と労力を注ぎ込んだのが見て取れるし、見え方としては成功なんじゃないだろうか(まだ展開してないけど。あとはプロモーションですね)。

 

香りも世界観も本格的で、個人的にも本気で「欲しい」と思えました。

 

 

 

世界初?「100%ヴィーガン・フレグランス」

 

新しいクヴォン・デ・ミニムの謳い文句の中で特に「うまいっ」と思ったのがこの部分。

 

出尽くし感がある香り市場で、一言で「ヴィーガン・フレグランスです」と言い切れるブランディングは歯切れがいいし、動物性のものを使わない・動物実験を行わない処方も今の時代の風潮にもピタリと合っている。

 

それに「ヴィーガン」と言えば、何となく言葉の一人歩きで「セレブっぽい」「真の贅沢」「こだわりの」「哲学がありそう」というイメージを彷彿とさせるから一石二鳥。

 

そして肝心の香りも、よくあるナチュラル系の優しいだけの香りとは違い、奥行きのあるラグジュアリーな香り。いい

それでいて植物由来だからか、香水酔いするような重すぎる感はなく・・・

 

うん、実にターゲットの痒いところに手を届かせたうまい着地点ではな位だろうか笑。

 

 

狙うは“ネオニッチ・フレグランス”市場の雄

 

ニッチ香水市場が成長・成熟を見せている中で、この新しいクヴォン・デ・ミニムが狙うのは「ネオニッチ・フレグランス」のポジション。

 

つまり、このサイトでも度々取り上げているようなニッチ香水・・・例えばディプティックやペンハリガン、ラルチザンやバレードなどが耕してきた市場に、新たに「本物志向は失わず」「ナチュラルなだけでないモダンさを持った」「それでいてもう気持ち手の届きやすい」というのがネオニッチかな?と独自分析しました。

 

正直、日本で売れているジョー・マローンとディプティックのことは相当、意識しているよね笑。

まず見た目が似ているし ( ´,_ゝ`)

 

 

いや!素直に、ディプティック好きな層には響くと思いますよ。

ディプティックよりも香りの面でも価格の面でも手が出しやすく、何より背伸び感がディプティックよりマイルド笑。

 

それでいて大人の女性を満たしてくれるほどの奥行きと重厚感は損なっていないので、個人的にもブランドの広がりが楽しみなフレグランスの一つとなった。

 

今後の展開に期待のフレグランスです。

 

(了)

あわせて読みたい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です